堤かなめのこれまでの質問
「213回通常国会」(2024年1月26日~6月23日)
第213回国会 衆議院 本会議 第7号 令和6年2月20日
○堤かなめ君
立憲民主党の堤かなめです。
会派を代表いたしまして、議題となりました文部科学大臣盛山正仁君不信任決議案に賛成の立場から討論します。(拍手)
盛山大臣は、文部科学大臣の任に堪えません。
理由は、大きく三つです。
一つ目は、宗教法人を所管とする文部科学大臣として、盛山大臣は明らかに不適格であるということです。
盛山大臣は、二〇二一年の衆議院選挙において、旧統一教会、世界平和統一家庭連合の関連団体である世界平和連合から、公示二日前にこの団体が主催する国政報告会に出席し、推薦状を受け取っていたこと、そして、選挙の支援も熱烈に受けていたことが、報道などにより明らかとなりました。
二月七日の衆議院予算委員会で、盛山大臣は、推薦状を受け取ったかどうかについて、報道があるまでは正直覚えていなかった、しかし、写真を見て、こういうことはあったのかなと薄々思い出したと答弁しました。推薦確認書については、地元の有権者から集会に来てくれと言われて行った、集会の最後に急にサインしてくれと言われたのかもしれない、十分に内容をよく読むことなくサインしたのかもしれない、軽率だったと答弁しました。
多くの証言や証拠写真がありながら、このように曖昧で無責任な答弁に国民が納得すると思いますか。旧統一教会の解散命令について公正に審理を進める上で、宗教法人を所管する文部科学大臣と教団の間に一点の曇りも許されません。即刻の辞任を求めます。
二つ目は、盛山大臣と旧統一教会の関係において、宗教行政や教育行政がゆがめられる大きな懸念があるということです。
立憲民主党は、解散命令請求が出る前から、旧統一教会の被害者救済に取り組んでまいりました。延べ百人の被害者の方々、被害者を支援している弁護士の方からも、約七十回、党の会合にお越しいただき、お話を聞いてまいりました。その結果、やっと、文部科学省は解散命令を請求し、その審問が始まるところです。
しかし、被害者救済には、もう一つの大きな懸念があります。それは、旧統一教会の財産保全です。解散命令が出る前に財産が隠されて、せっかく解散命令が出たのに賠償金は返ってこないというおそれがあります。果たして、盛山大臣によって、行政がゆがめられることなく、旧統一教会の財産が保全されるのか、不安でなりません。皆様もきっと同じ気持ちだと思います。
旧統一教会の関連団体との推薦確認書には、教団側が推進する家庭教育支援法や青少年健全育成基本法の制定に取り組むとの約束や、LGBT問題、同性婚法制化に関しては慎重に扱うと記載があったことも、深刻に受け止めるべきです。宗教行政、教育行政の公平性を担保できない盛山大臣の姿勢は厳しく問われるべきであり、大臣を辞任するのは当然ではないでしょうか。
三つ目に、盛山大臣は文部科学大臣として国民の信頼を失ったことです。
昨日の毎日新聞によると、盛山大臣について、岸田首相は交代させるべきだと思うか尋ねたところ、交代させるべきだが七八%、およそ八割、交代させる必要はないの一〇%を大きく上回りました。産経、FNNの世論調査でも、盛山大臣について、辞任するべきが七二・六%、およそ七割。朝日新聞の世論調査においても、盛山大臣について、辞任するべきだが六六%、やはり、およそ七割に上りました。
国民の信頼を失った盛山大臣は、このまま、国民生活に直結する文部科学行政の責任者である大臣の職に居座り続けるのでしょうか。国家国民のためを思うなら、即刻辞任すべきです。
総理へ。盛山大臣の問題については、総理の任命責任も重いと言わざるを得ません。総理は、我が党の山岸一生議員の質問に対し、盛山大臣に説明責任を果たしてもらいたいと、人ごとのように答えられました。しかしながら、NHKの世論調査では、盛山大臣が説明責任を果たしていると思うか尋ねたところ、果たしていないが八四%、八割を超えています。一方、果たしているは僅か五%。総理は、国民への説明責任を果たすことができない盛山大臣を一刻も早く更迭すべきです。
盛山大臣へ。旧統一教会との関係を隠していたという事実は許されるものではありません。関係ないと、うその回答をして文部科学大臣の職を得た。つまり、もしうそをつかなかったら大臣になれなかった、うそをついて大臣になったということです。うそつきは泥棒の始まりではなく、うそつきは大臣の始まりと子供たちに教えるのですか。学校教育をつかさどる大臣として、恥ずかしくないのですか。子供たちに範を示すためにも、自ら辞任すべきです。
自民党の皆様、与党の皆様へ。盛山大臣の不信任案に反対するということは、盛山大臣の政治姿勢やこれまでの言動を容認することです。都合が悪くなれば、うそをついたり、記憶にないと言えば済む、こんなことを許すのですか。今こそ、国民から負託を受けた国会議員としての矜持を示すときです。与党の一員としてではなく、一人の国会議員として御判断ください。この国のために何が正しいのか御判断ください。政治を、国会を、真っ当な議論の場、言論の府とするために御判断ください。国民が見ています。
最後に、国民の皆様へ。政治家はうそばかり、信頼できない、もう政治に関わりたくないと、政治から距離を置きたくなるお気持ちもよく理解できます。しかし、それでは、政治の劣化は止まりません。
自民党と旧統一教会の関係と、国民は増税、自民は脱税と厳しく指摘されている自民党と裏金の関係は、同じ構図です。裏金工作は、いつから、誰の指示で行われてきたのか、派閥や議員は何に使ったのか、全く説明責任が果たされていません。
ごまかし答弁を繰り返す大臣、国会議員を一掃し、共に真っ当な政治に変えようではありませんか。自民党を下野させ、新たな政権を発足しようではありませんか。人へ、未来へ、真っ当な政治へ。私たち立憲民主党とともに、もっとよい未来を一緒につくりましょう。
以上で、会派を代表しての賛成討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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