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堤かなめのこれまでの質問

第213回国会 衆議院 厚生労働委員会 第8号 令和6年4月3日

・格差是正(所得の再分配)の国際比較
・学校でのフッ化物洗口の問題点

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○堤委員 
立憲民主党の堤かなめです。
 格差の問題について、まずお聞きします。
 先日、三月二十二日の本委員会におきまして、我が国の所得格差についての認識をお聞きしたのですが、武見大臣からは、残念ながら、論点をずらした答弁しかいただけませんでした。
 大臣は、我が国のように医療保険で現物給付なんかをしておりますと、これは実はジニ係数のOECDの算定の中には入りません、こうしたことを踏まえて、我が国の所得格差の問題を国際比較していくことがやはり必要と答弁されました。つまり、所得格差そのものについての認識ではなく、統計の問題にすり替えてお答えになったというふうに感じました。
 その後、委員長のお取り計らいによりまして、理事会で御協議いただき、厚労省から御説明いただきました。感謝申し上げます。
 先日、三月二十七日の本委員会では、岬委員からも、我が国の格差の問題を正確に把握するには、現金給付と現物給付の両方を合わせた国際比較が重要だという趣旨の御発言をいただきました。
 そこで、改めて、両者を合わせた格差や再分配についてお聞きします。
 表一を御覧ください。この資料は、厚労省からいただきました社会保障給付の部門別の国際的な比較、対GDP比でございます。
 赤字の部分は、厚労省からお聞きしまして堤事務所で付記したものですが、これは、現物給付、現金給付、全て含んだ給付全体、ただし、教育給付は含まれておりません。ですから、教育給付については後述いたします。そして、福祉その他というところ、黄色の部分ですけれども、には、介護保険、雇用保険、子供、子育て費用、生活保護、障害給付などが含まれるということで、現金給付、現物給付のかなりの分野を合わせたものだということでございます。
 こうして見ますと、日本の社会保障分野の再分配と言っていいと思いますが、赤で示されたところ、棒グラフを赤で囲んだところでございますが、対GDP比二三・一%、OECD諸国三十八か国中十七位ということでございます。つまり、一見、結構日本も再分配をやっているじゃないかというふうに見えますけれども、実は、内訳を見ていただきたいと思います。
 オレンジの部分、これが医療でございますが、これは九・六%。非常に、かなり占めています。アメリカに次いで世界第二位ということでございます。
 しかし、その一方、先ほど言いましたように、介護、高齢者福祉、子供のこと、障害者のことなどが含まれている福祉その他のところ、非常に重要だと思うんですが、これは僅か三・五%です。数えましたところ、三十八か国中三十二位、下から七番目でしかないわけです。
 武見大臣、なぜ医療の給付が多いのか、医療の給付は世界第二位なのに福祉の給付は少ないのか、是非お答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武見国務大臣 
GDP比で見た社会保障給付の国際比較については、OECDにおいて社会保障給付を年金、医療、福祉その他と三つに分類した上で実施されておりますけれども、このうち、福祉その他については、二〇一九年のデータで日本が三・五%、諸外国のうち、例えばスウェーデンでは一一・二%というふうになっております。
 この国際比較については、諸外国と我が国では、高齢化率の違いに加えて、そもそも我が国とは社会保障制度が異なる中で、どのような対象者に対してどのような形で給付が行われているかということも実は異なっております。したがって、厳密に比較評価するというのは実はなかなか難しい問題であろう、こう考えております。

○堤委員 
もちろん、厳密に比較するということは、確かに、それぞれ各国、制度が違いますので難しいかと思いますけれども、しかし、こうやって厚労省が統計を出されていらっしゃるということで、やはりこれは、大きく見て、日本の福祉その他が少ないんじゃないか、OECD諸国、三十二位ということは少ないんじゃないかということは言えると思うんですね。
 やはり私は、申し上げにくいんですけれども、医療業界の団体から、自民党の議員の方々、多額の政治献金を受け取っておられますけれども、福祉の分野の業界団体からはそれほどの政治献金が期待できないということも、もしかして、そういうことで政策がゆがめられているということがあるのではないかと思わざるを得ないと思います。
 また、御案内のように、日本の高齢化率は世界で最も高い、世界一位です。しかし、年金給付は世界一位ではありません。資料一をもう一度御覧ください。三十八か国中、この緑の、一番下の部分ですけれども、占める割合は十四番目です。これについてはどう思われますでしょうか。

○武見国務大臣 
年金、福祉、医療の在り方に関しては、国の発展段階によって、その持つ役割の違いというのが明白に出てまいります。そのことはきちんと指摘をさせていただきたいというふうに思います。特に、発展段階の途中から中間期ぐらいまでについては、実は医療を通じての所得の分配の比率というのは政府の所得分配比率の中で常に大きくなる傾向があって、それは、ただ単に国民の健康を守るだけではない役割を確実に負うということは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 そして、年金制度に関する御質問でございますが、物価や賃金といった経済状況が異なることから、年金の給付水準を見る上では、名目の年金額ではなくて、現役世代の賃金に対する給付額の割合であります所得代替率を用いるのが一般的でございます。
 例えば、OECDが試算した単身者の税、社会保障料控除前の公的年金に関わる所得代替率の予測値については、ドイツは四〇%台、アメリカ、カナダ、日本は三〇%台、イギリスは二〇%台となっておりまして、ただし、これは給付水準のみを比較したもので、給付と負担に関わる高齢化率や保険料水準等といった前提条件が異なる中で、この数字を単純に比較して評価することは適切ではないというふうに考えております。
 そして、我が国の公的年金制度は、国の社会保障制度の一つとして、社会全体で高齢者の生活を支える制度でございまして、老後の所得保障の柱としての役割を果たしておりますけれども、それだけで老後の生活の全てを賄えるものではなく、現役世代に構築した生活基盤であるとか貯蓄などと組み合わせて老後の生活を送っていただく必要があると考えております。
 その上で、従来から、年金の給付水準を表す指標として所得代替率を用いておりまして、法律上、現役男性の平均的な手取り賃金に対して、いわゆるモデル年金が将来において五〇%を上回ることとされており、引き続き、この考え方に基づいて年金を着実に支給してまいりたいと思います。

○堤委員 
先週、本委員会でも、年金の水準が余りに低い、特に単身の女性の高齢者の貧困が非常に大変だというような話も出ていました。やはり医療にちょっと偏り過ぎているんじゃないかなと、私は、率直な感想でございます。
 それから、資料二を御覧ください。これは、公財政教育支出の対一般政府総支出、つまり、政府支出全体に占める教育支出を示したものです。教育支出は、OECD加盟諸国三十八か国のうち、下から五番目。公的な教育支出が少ない、政府が教育にお金をかけていないということになろうかと思います。
 先日も申し上げましたが、我が国の再分配効果は国際的に見ても低い。これは多くの研究者も指摘しているところでございます。OECD諸国のうち、公的移転による再分配では下から三番目、税による再分配では何と最下位です。
 武見大臣は、医療保険制度の所得の分配の中で果たしてきた役割は税制よりもはるかに大きくて、政府の所得分配機能の七割以上を占めているというふうにおっしゃいましたけれども、やはりこれは、つまり、医療に偏っているのではないかというふうに思っています。
 私ももちろん、国民皆保険制度は、世界に誇れる、すばらしい制度だと高く評価しておりますが、もっとやはり労働政策、障害者や高齢者政策、教育政策を充実させるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○武見国務大臣 
先ほどから申し上げているように、国の発展段階によって、その時期における政府の所得分配機能というのは、大きく依存する分野が異なります。まだ国民が貧しくて所得が低いときには、税制などで幾ら所得分配をしようとしても、全体が低いものでありますから、所得分配機能というのは低いわけであります。しかし、医療というものを通じて、現物給付を通じて、実際にこうしたサービスを国が行いますと、間違いなく、実はこうした医療保険制度を通じての所得分配機能というのが圧倒的に高くなります。
 我が国もその例外ではなかったわけで、一九六〇年代から一九七〇年代までの我が国の政府の所得分配率の中の約七割近くはこうした医療、医療保険というものが担っていたことは事実であって、その時期に我が国の国民の平均寿命というものが急速に高くなって、実際に一九七〇年代の中頃ぐらいには世界のトップランクの中に入ってくるというところまで目覚ましい成果を得たというのは、我が国における社会保障政策の一つの極めて大きな成功事例だったというふうに私には思えます。
 その上で、国民皆保険が成立した一九六〇年代の社会保障給付に占める現物給付の割合は七割以上を占めていたわけでありますけれども、その後の高齢化の進展と年金制度の成熟に伴いまして、現物給付の割合は三割程度まで今日は低くなってきております。
 ジニ係数に対する寄与につきましては、年金などの現金給付や税、社会保障料による再分配と、現物給付による再分配を比較しますと、前者の寄与の方が大きくなってきているわけであります。
 それから、現金給付につきましては、例えば年金では、稼得所得の低い高齢者に給付が行われるものでございまして、再分配機能がそのため大きくなる一方で、現物給付の多くを占める医療、介護については、所得の多寡にかかわらず給付が発生することから、構造的に再分配機能が小さくなるということが理由として承知されております。
 いずれにしても、近年、高齢化に伴い、当初所得のジニ係数は増加傾向にあるものの、年金などの社会保障や税による再分配後の所得のジニ係数はほぼ横ばいで推移しております。社会保障制度を始めとする所得再分配機能は、少子高齢化が進行する我が国の社会においても、格差の拡大防止に重要な役割を果たしているものとの認識は改めて申し上げておきたいと思います。

○堤委員 
発展段階によって変わってくるということは分かりますけれども、ですから、教育、これも現物給付も入っているわけですけれども、これもどんどん増えていくべきではないか。今、少子化対策という意味でも、教育の現物給付も大事だということも指摘しておきたいと思います。
 では、次に、歯と口の健康づくりについてお聞きしたいと思います。
 幾つになっても歯と口が健康で、おいしく食事ができることは、体全体の健康を保つ上でも、とても重要でございます。近年では、歯と口の健康が体全体の健康と密接に関連していることが知られるようになってきました。歯周病が進行すると、歯茎から歯周病菌が血管の中に侵入し、毒素を出しながら血流に乗って全身を巡るなど、非常に様々な病気のリスクを高めるということです。健康寿命を延ばすためにも、子供の頃からの口腔ケアが重要であると考えています。
 しかしながら、学校で集団的に行うフッ化物洗口については、我が国でも賛否両論、様々な議論があるにもかかわらず、半ば強引に進められてきたように思っております。フッ化物洗口、フッ素うがいというものは、週一回、虫歯予防のために、フッ化ナトリウム、いわゆるフッ素の水溶液を口に含んで、約一分間、ぶくぶくうがいをするというものです。
 国際的には、途上国や貧困地域、つまり一般的な家庭が歯ブラシや歯磨き剤を買えないような地域では、学校で集団的にフッ化物洗口を行ったり、水道水にフッ化物を添加することが推奨されるとする論調もございます。一方、歯磨きや砂糖の摂取の減少などにより虫歯が、齲蝕が減少してきた先進国においては、フッ化物を広く集団的に使用するのではなく、ハイリスクの子供に対して限定的、個別的に使用することが推奨されるようになってきております。例えば、ポピュレーションアプローチの典型とも言えるかと思いますが、地域全体に広くフッ化物が使用される水道水への添加については、一時期は導入していましたスウェーデン、オランダ、ドイツ、スイス、カナダ、ニュージーランド、フィンランドなどが次々と中止をしています。
 確かに、小中学生が全体的に虫歯の多かった時代には、学校でのフッ化物洗口のように、ある特定の集団全体への介入、ポピュレーションアプローチが採用されたことも一定理解できます。しかし、今は違っています。日本でも、歯磨きや食生活の改善、フッ素入り歯磨き剤の普及などが進み、口腔崩壊のような虫歯の多い子供と、ほとんどない子に二極化しています。
 また、我が国において学校でのフッ化物洗口の高い有効性の根拠とされている調査研究については、歯磨きや食生活の改善など、フッ化物洗口以外の要因、交絡要因を排除できていない、観察者と被験者が調査内容を知り得ない状況をつくる二重盲検法を用いていない、実際に介入を行う集団と介入を行わない対照群との比較が行われていないなど、根拠に乏しいという指摘があります。
 さらには、ちょっと長くて申し訳ないんですが、学校でのフッ化物洗口のモデル県とされている新潟県や佐賀県では歯磨き指導などの歯科保健指導も積極的に行われており、これら複合的な要因によって他県よりも虫歯が少ないと解釈されるのが妥当という意見や、各県の小学校でのフッ化物洗口の実施率と、中学一年生、十二歳児の一人当たり虫歯数には必ずしも相関があるとは言えないという指摘もあります。
 子供たち全体の虫歯の本数が減少している我が国においても、学校のフッ化物洗口単独の虫歯予防効果はいまだ明確には立証できていない、これが現時点での科学的知見ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○浅沼政府参考人 
お答えいたします。
 虫歯予防のためのフッ化物応用につきましては、WHO、世界保健機関や、FDI、国際歯科連盟のほか、日本歯科医学会等、国内外の多くの関係機関等においてその有効性や安全性が確認されております。また、フッ化物洗口につきましても、その虫歯予防効果につきましては、日本歯科医学会等の関係学会から、一定の効果が期待できるとの見解が示されているところでございます。
 その上で、虫歯予防の取組の一環といたしまして学校などにおいて集団でフッ化物洗口を行うことにつきましては、個人の環境によらず、ひとしく効果が得られやすいこと等から、公衆衛生学的に優れた方法であると認識しているところでございます。

○堤委員 
資料三を御覧ください。これは、二〇〇五年のスウェーデンのスウェディッシュ・デンタル・ジャーナルの記事でございます。赤線のところ、下に訳をつけさせていただいています。
 1のところです。一九八〇年代半ばから後半にかけて、スウェーデンの多くの郡が、学校ベースのFMRプログラム、学校でのフッ化物洗口ということですが、これを放棄した、やめた、中止したということです。
 2のところです。齲蝕有病率の低い十三歳から十六歳の青年集団に対する学校フッ化物洗口の三年間の中止は、学校でのフッ化物洗口を三年間続けた集団と比べて、新しい齲蝕病変や詰め物、既存のエナメル質病変の進行に統計学的な有意な差を示さなかったという研究もございます。
 こういったことも是非踏まえて、厚労省は学校でのフッ化物洗口に関する調査研究を委託する、そういう予定であるとお聞きしております。もしそうであれば、これまでの様々な批判を踏まえた研究、精緻で国際的にも通用するレベルの研究にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○浅沼政府参考人 
お答えいたします。
 委員御指摘の学校におけるフッ化物洗口の調査研究につきましては、令和六年度の厚生労働科学研究におきまして、新型コロナウイルス感染症の流行による学校等における集団フッ化物洗口の中断や、緊急性のない訪問歯科診療の延期等が歯、口腔の健康に与えた影響の研究を予定しているものでございます。
 いずれにいたしましても、本研究の方法や内容等につきましては、今後、研究者とも連携を密に図りながら取り組んでまいりたいと考えております。

○堤委員 
もう一つは、学校現場の問題でございます。
 御存じのように、多忙を極めております教職員の皆さん、精神疾患などによって病気休職する教職員の方が毎年増加しているという状況も厚労省はよく御存じかと思います。
 昨年五月二十三日の参議院文部科学委員会で、古賀千景委員の質問に対し文科省は、教職員がその業務を担う場合には少なからず負担が生じると教職員の負担をお認めになっています。その一方で、教職員の負担軽減に配慮するよう都道府県教育委員会等に対して依頼するということにとどまっています。
 しかし、そもそも、実施の必要性が薄い、そういう人たちが多いわけです。そして、学校現場の負担が大きいフッ化物洗口は実施を中止すべきであり、厚労省として新たな見解を示す時期に来ていると私は思いますが、いかがでしょうか。

○浅沼政府参考人 
お答えいたします。
 学校等においてフッ化物洗口を集団で行うことにつきましては、個人の環境によらず、ひとしく効果が得られやすいこと等から、公衆衛生学的に優れた虫歯予防対策であると認識しております。
 他方、議員御指摘のとおり、集団でのフッ化物洗口の実施につきましては、学校現場の負担となる場合も考えられることから、その実施に際しましては、職員を含む関係者の理解と協力を得た上で進めていくべきものと考えているところです。

○堤委員 
実は、私の友人が、あるところで教育委員を長年やっておりました。その友人からお聞きしましたところ、学校現場としては、本当にフッ化物洗口は負担が大きくて、やめてほしいというところが本当に多いと。だけれども、実は、これをやめると学校歯科医を派遣してもらえなくなるということで、続けざるを得ないという意見も聞いております。
 実際、そういったことがあるのかどうかも含めて是非調査をしていただいて、厚労省としても、文科省と協力して、本当にこれが必要なのか、子供たちにとって必要であるならば、どんなに忙しくてもやるという先生たちもいるわけですけれども、でも、そうでないんじゃないかという人たちの意見もたくさんあるわけです。それを是非、本当に真摯に、もっと、何かかたくななイメージを持つんですけれども、もうそういう時代ではない。スウェーデンでもやめていますし、いろいろなところで、やっていたところが、やはり時代が変われば必要な公衆衛生学的な手法も私は変わってくると思います。是非、文科省の御意見もよく聞いていただいて御検討を、再検討していただく時期に来ているんじゃないかと思います。本当に学校現場の皆さんからそういう声をたくさんずっと、私は県議の時代、十年しておりましたが、聞いてまいりました。是非、そのことも含めてお願いしたいと思います。
 それでは、次に行くと、時間がなくなってしまいましたが、もう一つ文科省にお聞きします。
 フッ化物洗口液という医薬品を希釈する、薄める行為、そしてその医薬品を使って子供たちにうがいをさせる行為は、そもそも教育活動なのでしょうか。そして、それが教員の職務として認められているのか。それぞれについて端的に、正確にお答えください。

○浅野政府参考人 
お答えいたします。
 フッ化物洗口は、齲蝕の予防対策として効果的であると考えられることから、各自治体、学校の判断により実施されているものと承知しております。
 フッ化物洗口を、学習指導要領に基づき、体育科における口腔の衛生を保つことや、特別活動における心身の健康の保持増進に関する指導として実施する場合等においては、教育活動として位置づけられ、教員の職務になるものと考えられております。
 いずれにしても、文部科学省としては、先生御指摘のように、先生方は多忙を極めておりますので、可能な限り教職員の負担を軽減した形で実施することが重要であると考えており、学校においてフッ化物洗口を実施するに当たっては、民間業者の活用等も含め、関係者間での適切な役割分担を検討し、教職員の負担軽減に配慮するよう都道府県教育委員会等に対し依頼しているところでございます。

○堤委員 
また、フッ化物についてですけれども、近年、それが脳や神経に与える影響についての研究も増えてきております。昨年二月二十日の衆議院予算分科会第五分科会で紹介させていただきましたが、二〇一九年、五年前の論文では、フッ化物と脳の様々な病態とに関連があるというふうにしています。
 資料四を御覧いただけますでしょうか。これは昨年の論文の一部です。下線部、翻訳させていただいています。
 1ですが、フッ素は環境汚染物質であり、人体に入ると、そのプロセスの多くを混乱させます。骨、肝臓、膵臓、肺、心臓、骨格筋、腎臓など、多くの臓器への影響はもはや否定できません。
 2、小児の中枢神経系に対する……

○新谷委員長 
申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

○堤委員 
はい。では、ここまでですね。
 フッ化物の悪影響と、一九八〇年代半ば以降の小児脳腫瘍の発生率の増加は、この現象を解明するための最も有力な動機となるはずですということで、こういったことで懸念もありますので、学校現場では是非、医薬品を使わないで、歯磨きとかいろいろな食生活の改善とかで歯の虫歯予防をしていただきたいと思っております。また、歯周病の予防にもなるかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 終わります。