堤かなめのこれまでの質問
「211回通常国会」(2023年1月23日~6月21日)
「212回臨時国会」(2023年10月20日~12月13日)
第211回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 令和5年2月20日
○堤分科員
おはようございます。立憲民主党の堤かなめでございます。
本日は、保育士の環境について聞いていきたいと思いますけれども、その前に、日本は、この十年、毎年、合計特殊出生率一・五未満の超少子化となっています。この超少子化については、二月九日の予算委員会でも質疑させていただきました。超少子化を食い止めることは我が国の根幹に関わる問題であり、若い世代が子供を産み育てたいと思えるようになるためにも、子育て、教育環境の充実が最優先の政治課題である、そういう問題意識に基づきまして、保育の質の向上について質問いたします。
さて、全国的に保育士を辞める人が多く、なり手がいない、保育士不足が問題になっています。
その原因の一つは、保育士の給与の低さです。保育士の平均月収は全産業平均を下回っており、この改善については、立憲民主党として、これまで何度も何度も何度も国会で改善を求めております。本日は、保育士の処遇改善以外の課題についてお聞きします。
一点目に、保育士の配置基準の改善についてです。
私は、昨年五月十一日の内閣委員会でもこの点について質問し、野田大臣より、「御指摘のとおり、職員配置の改善は、教育、保育の質の向上のために重要な課題」と御答弁いただきました。
資料一、福岡県の子育て支援課が作成した資料です。私、県会議員をしておりましたので、福岡県は、やはり、現場の声を国に要望事項として上げている、その中の一つがこの配置基準の改善でございます。そこにございますように、四、五歳児につきましてはまだ未実施になっているんですけれども、比較的規模の大きな保育所について、チーム保育推進加算の充実を行うというふうに、国はようやく、令和五年、来年度の当初予算案の中に盛り込んでいただきました。
しかし、小規模な保育園ほど、例えば障害のある子供を一人受け入れただけで手が足りなくなってしまう。やはり、大規模であれば、たくさん保育士さんもいらっしゃいますので、みんなでカバーできますけれども、小規模であればそれが難しい。小規模なほど余裕が欲しいということです。
小規模の保育園にも加算が必要ではないか。また、一歳児の配置基準の改善、こちらはまだのようですけれども、これはどうなるのでしょうか。よろしくお願いします。
〔大岡主査代理退席、主査着席〕
○加藤国務大臣
今委員からお話がありましたように、令和五年度予算案で、保育所における二十五対一の配置が実現可能となるよう、チーム保育推進加算について、定員百二十一人以上の保育所で加算する保育士を一人から二人とする拡充を行うことを盛り込ませていただいております。定員百二十一人以上の保育所については、四、五歳児の年齢別における現行のチーム保育推進加算による一人の加配保育士を活用してもなお、いずれかのクラスでは一人の保育士で二十五人を超える子供を担当せざるを得ない状況となっていることを踏まえた対応でございます。
これによって、四、五歳児の二十五対一の職員配置の実現に向けた一歩とは考えておりますけれども、委員御指摘のあった、一歳児の配置改善、あるいは、四、五歳児も含めて、消費税分以外の財源で確保するとされているいわゆる〇・三兆円超の質の向上の事項、これについては大変残念ながら未実施となっております。
引き続き、安定的な財源の確保と併せて検討が必要と考えておりますし、これらも含めて、現在、小倉こども政策担当大臣の下で議論されております。そうした中でしっかり議論させていただきたいと考えております。
○堤分科員
先ほどの山田委員の質問に、加藤大臣は、予算があるとかないとかではないというお答えをされましたよね。必要性があれば、予算ではなく、ちゃんとやるべきだと思います。
これまで、〇・三兆円超の財源の確保という言葉、答弁、何度も何度も、もう聞き飽きました。二〇一五年から八年間の間、何回同じ答弁をされていますでしょうか。今すぐお答えにはなれないでしょうから、調べていただきたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。
保育の現場でも、小中学校の現場と同じような負の連鎖、負のスパイラルが起きています。保育士が見つからない、少ない人数で頑張っている保育士の負担が増える、精神的にも肉体的にも疲れ切って病休を取ったり辞めたりする、残っている保育士の更なる負担が増え、保育の仕事が魅力的でなくなり、なり手が見つからず、更に保育士不足に陥る。保育園を増やしても、肝腎の保育士さんがいなければ保育所に預けることができない。この負の連鎖を早く止めなければなりません。
二点目に、保育士の長時間労働についてです。
保育所では、サービス残業をして当たり前といった風潮が昔から強く、その風潮がまだ残っているところもあります。会議や打合せなど子供たちが帰った後に行わなければならない業務があったり、運動会などの行事が近づくと、その準備などで残業しなければならないという実態もあるようです。
国として、保育士の労働実態をどのように把握し、どのように認識しているのか、お聞きします。
○加藤国務大臣
委員、その前に、今おっしゃった、先ほどの山田委員に対しては、山田委員が、当該予算が残っておる、そのことを前提にお話をしていたので、私はああいうことを申し上げた。ただ、かつ、この子供施策というのは恒常的に実施していかなきゃなりませんから、当然、何をやるか、これは非常に大事でありますが、あわせて、財源の議論、これはしっかりやっていかないと実現していくことがなかなか難しいというふうに考えております。
その上で、今委員からお話がございましたけれども、昨年、令和三年五月に、東京都保育士実態調査等でも示されておりますけれども、実際、保育士の皆さん方は、大変仕事が多い、労働時間が長い、こういう話を、こうした資料だけではなくて、私も地元のいろいろ保育園を回らせていただいてそうした声も聞かせていただき、また、それを背景に退職される方がおられるということも承知をしております。
やはり、保育士を確保していくためには、新しい、若い方々に入っていただくということと同時に、やはり、今働いている方が引き続き、夢を持って入ってきていただいた方が継続して働いていただくということが非常に大事であり、勤務環境の改善を進めることが重要だと考えております。
保育士の業務負担の軽減のために、保育士の補助を行う保育補助者の雇い上げに必要な費用、あるいは、清掃、消毒、園外活動時の見守り等の保育の周辺業務を行う保育支援者の雇い上げに必要な費用、登園管理システムの導入など、ICT化の推進などの補助を行い、保育士の勤務環境の改善も進めているところでございます。
また、厚労省としては、調査研究などを通じて保育士の皆さん方の実態の把握もこれまでさせていただきました。その中では、行事や研修の企画など保育以外の業務が多く、子供が帰られた後に残業している、おもちゃや装飾の製作等の作業が業務時間内で終わらず、持ち帰りの作業になっている、家に持って帰っている、こういったこともその中から見えてくるところであります。
また、残業時間そのものについては、賃金構造基本統計調査、こういう全体の調査があって、そこで定量的な把握を行っているところでございます。
保育士の業務負担の軽減を引き続き図っていくことが重要だと考えております。そのために、どういったことができるのか、また、どういったことを把握をしていくのか、引き続き検討していきたいと考えております。
○堤分科員
やはり実態を知ることは改善への第一歩だと思いますので、厚労省として、実態の把握、まずベースライン、今現在でどうなのか、いろいろICT化ですとか業務改善を進めておられたら、それがどのように改善していくのかということもやはり把握しておく必要があるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
三点目に、保育士の業務削減についてでございます。
とにかく書類が多過ぎます。例えば、保育指導案として、年間計画、月案、週案、日案の四種類の書類を書いている保育所がほとんどではないかと思います。ところが、保育指針では、長期的な指導計画と短期的な指導計画の二種類しか記されていません。例えば、長期的な年間計画と週単位の短期指導案の二種類などに絞ることが可能であれば、保育士の負担はかなり軽減されると考えますが、いかがでしょうか。
あわせて、行政や役所への提出書類、監査のための書類などのうち、簡素化や削減できるものはすべきだと思います。この点についてどのように思われますでしょうか。
○藤原政府参考人
お答え申し上げます。
保育所における保育の内容に関する事項を定めました保育所保育指針におきましては、委員から御指摘いただきましたとおりなのでございますけれども、具体的な保育が適切に展開されるよう、子供の生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子供の日々の生活に即した短期的な指導計画、これらを策定をするということとなっております。
また、指針の解説の中では、保育所における指導計画につきまして、年、数か月単位の期や月など長期的な見通しを示す指導計画と、それを基に更に子供の生活に即した週、日などの短期的な予測を示す指導計画、この二種類の計画を作成するようお示しをしております。
あくまで長期計画と短期計画の二種類の計画を作る上での例示を示したものでございまして、必ずしも年間、月案、週案、日案のような四種類の計画を作成いただく必要はないと考えております。
このため、指導計画に関して、何が保育所の負担になっているのか、実態を確認したり、聞いたりしながら、どのような周知の工夫ができるかということについては考えてみたいと考えております。
その上で、保育士が保育に注力できる環境を構築するということは重要でございますので、引き続きのICT化の推進を図っていくとともに、児童票ですとか指導計画に最低限記載することが望ましい項目、こういったものを調査研究を通じまして提案をしておりますので、こういった提示の内容についてもしっかり周知を進め、業務負担の軽減に丁寧に取り組んでいきたいと考えております。
○堤分科員
保育士が保育業務に集中できるようにということで、きちんと周知を、通知を出すなりして周知をお願いいたします。
また、四点目に、保育所でのフッ化物洗口、フッ化物の入った薬剤によるうがいについてお聞きしたいと思います。
資料二を御覧ください。
この薬用歯磨き、これは議員会館の地下一階のコンビニでつい最近購入したんですけれども、大臣、御覧になっていただけますでしょうか。この薬用歯磨きには、六歳未満の使用は控え、子供の手の届かないところに保管すると明記されています。これはなぜでしょうか。
○八神政府参考人
薬用歯磨き粉の注意書きの根拠についてのお尋ねでございました。
歯の形成期に高濃度フッ化物を継続的に摂取をすることで、歯に白色や褐色の斑点が表れる歯のフッ素症というものを発症するということが報告をされております。このため、一〇〇〇ppmを超える高濃度のフッ素を配合した薬用歯磨き粉を薬事承認をする際に、歯の形成期にある六歳未満の子供には使用を控え、手の届かないところに保管するという旨を注意喚起をするということが適切と判断をされてきました。そのため、直接、容器等に記載をするということを求めているというものでございます。
○堤分科員
保育園や幼稚園でフッ化物洗口を実施しているところがあると聞いています。フッ化物洗口、フッ化物うがいとは、四、五歳児の子供たちが、給食の後とかに、フッ化物が入ったうがい液を含んでぐちゅぐちゅうがいをするというものです。三十秒間ですとか、一分を勧めているところもあるようですが、週五回行っているところもあると聞いています。
ところが、カナダ政府のホームページには、六歳未満の子供にフッ化物の入ったうがい薬、マウスリンスですとかマウスウォッシュを使ってはならない、与えてはならない、ネバーギブというふうにはっきりと記されています。
また、米国歯科医師会、ADAは、六歳未満の子供は、歯科医の監視の下でなければうがい液を使ってはならないとしています。その理由は、六歳未満の子供は、嚥下反射が十分に発達しておらず、うがい液を飲み込む可能性があると、明確です。また、幼児は、うがい薬を吐き出すための筋肉が十分に発達していないからという理由もあるようです。
ところが、日本では、保育所や幼稚園でフッ化物洗口が行われています。安全性に問題があるのではないかと思いますが、どのように認識しておられますでしょうか。
○榎本政府参考人
お答え申し上げます。
虫歯予防のためのフッ化物応用の有効性、安全性につきましては、WHO、世界保健機関やFDI、国際歯科連盟のほか、日本歯科医学会など国内外の多くの関係機関などの見解を踏まえまして、その有効性と安全性を含め、公衆衛生学的に優れた方法であるというふうに認識しているところでございます。
今委員からアメリカの事例を御紹介いただきましたけれども、CDCにおいて、今委員御紹介いただいたように、六歳未満の子供のフッ化物洗口につきましては、洗口液を繰り返し誤飲するリスクといったことが挙げられているところでございます。また、そのほか、他のフッ化物応用の適用が増加してきていることといった理由もあって、フッ化物洗口の実施に関しては歯科医師などに相談することを推奨しているということは私どもとしても承知しているところでございます。
一方で、集団フッ化物洗口につきましては、そのフッ化物濃度が毎日法ですと約二二五から四五〇ppm、また週一回法であれば約九〇〇ppmと、フッ化物配合歯磨剤と比較して低い、そして使用頻度や作用時間が異なるものであるということ。また関係学会によりますと、使用するフッ化物洗口液をたとえ一人一回分を全量誤飲した場合でも、直ちに健康被害が発生することはないと考えられていること。また、国の方では、令和四年十二月に、フッ化物洗口の推進に関する基本的な考え方というものをお示しをしてございますが、集団フッ化物洗口を実施する際には、歯科医師などの指導の下に適切な方法で実施をする。それから、四歳未満では、適切な洗口ができずに誤飲のリスクが多いため、フッ化物洗口の対象としない。それから、フッ化物洗口を開始する際に、適切なうがいができるか確認や練習をした後に洗口を開始をするといったことなどで、フッ化物洗口の安全性を確保する必要性も併せてお示しをしてきているところでございます。
そういったことから、私どもとしては、安全性は確保されているものというふうに認識しておりまして、ただ、フッ化物応用につきましては様々な方法がありますので、フッ化物濃度のみで一概に比較できないものではございますけれども、地域の状況に応じた適切な方法によるフッ化物応用を行うことが齲蝕予防に重要であるというふうに考えているところでございます。
○堤分科員
現在実施しているところでは、保護者への十分な説明を行った上で同意を取っているのでしょうか。また、保護者の同意を得られた子供と同意を得られなかった子供とに分けてうがいを実施しているのでしょうか。お聞きします。
○榎本政府参考人
今御指摘ございました保育所などでのフッ化物洗口の実施に際する保護者の同意などの取得、あるいは子供へのフッ化物洗口の実施を保護者の同意等により分けるといったことにつきましては、私どもとしては、先ほど申し上げました通知の中でそういったことをお願いをしているところでございますけれども、最終的には現場の実情に応じて御判断いただくということでございますので、現在、私どもとして、厚生労働省として把握しているところではございません。
一方で、先ほど御説明申し上げたとおり、フッ化物洗口の実施に際しては、保護者などを対象とした説明会などを開催をして、保護者の意向を確認をすること、そしてまた、フッ化物洗口を希望しない方がおられる場合には、洗口時間帯に水で洗口させるなどの必要な配慮を行うことなどに留意していただきたいということをお示しをしてございます。
こうした留意事項などを踏まえて、関係者の御理解を得ながら、現場の実情に応じて適切にフッ化物洗口を実施してきていただいているというふうに考えているところでございます。
○堤分科員
インフォームド・コンセントは大変重要ですから、厚労省としてもちゃんと守らせていただきたい、実態を把握していただきたい。通知をしただけでは足りないのではないかと思っています。
また、六歳未満のフッ化物洗口については、なぜカナダでは禁止されているのか。ネバーギブ、ネバーのところが太字になっているんですよね。禁止されている。なぜアメリカでは歯科医の監督の下でとなっているのか。でも、なぜ日本では、保育所や幼稚園で行う必要があるのか。そういう情報も含めてきちんと保護者に提供した上で同意を取るべきだと思います。
また、現場は、先ほどから言っていますように大変忙しいんです。そんな中で子供たち一人一人を、例えば、この子はうがい薬、この子は水と分けて、安全にうがいをさせるというのは、現実的にどうなんでしょうか。子供たちは動き回るわけですし、相当大変です。でも、こういったことを徹底できる園でなければフッ化物うがいを実施すべきではないということも併せて通知していただきたいと思います。
また、幼児たちを三十秒間、うがい薬を飲み込まないように見守っておかなければならないということです。誤飲が多いということもおっしゃいましたよね。だからカナダでは禁止になっているわけですね。さらに、感染予防のため、吐き出した水やうがい薬の処理などにも気を遣います。先ほど言ったように、こういう、保育士さんたちに更なる負担、時間と労力を強いることになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○榎本政府参考人
お答え申し上げます。
今委員から御指摘ございましたが、海外の事例なども含めて、齲蝕予防のためのフッ化物の運用についてはいろいろな考え方があるということは承知してございますが、WHOや関係学会などからフッ化物洗口の安全性について御報告いただいていること、また、先ほど御紹介した、私どもの令和四年十二月の通知でお示しをしておりますフッ化物洗口の推進に関する基本的な考え方でお示しした内容に沿いまして適切な実施を求めていること、これまでフッ化物洗口による健康被害が発生したといったような報告がございませんことから、直ちに六歳未満の子供に対してフッ化物洗口を取りやめるといったような状況ではないというふうに考えてございます。
今委員から幾つか御意見を頂戴いたしました。今後とも、私どもとしても、WHOの動向なども踏まえながら、関係学会などの御意見も伺うなど、必要な情報収集は引き続き適宜行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○堤分科員
必要な情報収集を行っていただくということもお答えいただきました。
厚労大臣、大変恐縮ですけれども、私、ここでエアうがいをしますから、十秒数えていただけませんでしょうか。十秒ですね、十秒がどのくらいの長さなのか。じゃ、自分で数えます。
十秒ですかね。これが、三十秒、子供たちがぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ、四、五歳児がして、飲み込まないということができるのか。そして、きちっとぺっと吐き出せる筋肉も発達していないんじゃないか。そういうことから考えても、子供たちの安全という点からも、保育士の業務の軽減という点からも、保育所や幼稚園でのフッ化物洗口はもう一度検討いただきたいと思っています。
また、資料三を御覧いただけませんでしょうか。
これは、二〇二〇年、三年前の、フッ化物の脳への影響について発表されたレビュー論文でございます。総説です。アブストラクト、要旨のところの下線部にはおおむねこのように記載されています。
私たちは、歯磨きペーストやジェル、焦げつかないフライパン、かみそりなどの日常的な使用によりフッ化物に暴露されている。フッ化物への暴露は、中枢神経系を含め、私たちの体に様々な毒性の効果を引き起こす。フッ化物が脳の様々な病態と関連があることも発見されてきたというものです。
フッ化物の適正摂取量や許容量については、まだ明確に科学的に示されていないのではないかと思います。予防原則、簡略に言えば、化学物質の安全性が説明できないものは安全ではないとする予防ルールから、カナダや米国の事例からも、厚労省として、発育の途上にあり、化学物質への感受性が高い幼少期の子供たちの暴露には、慎重な上にも慎重を期すべきです。
今から七十年前は、確かにヨーロッパや北米で、水道水にフッ化物を入れる方法が先進的だ、画期的な方法だとされてきました。しかし、今は違います。先進国ではやめるところが増えてきています。日本でも以前と違って、自宅でフッ素入り歯磨きを使っていたり、歯科医で塗布を受けているなど、家庭の状況によって様々でございます。アレルギー体質の子供もいます。個別の対応が必要になってきているのではないでしょうか。
科学は日進月歩です。厚労省として、保育所、幼稚園、学校などで集団的にフッ化物洗口を行うことを推奨するのか、最新の科学的知見、世界の趨勢を踏まえて再検討し、新たな見解を出していただきますよう心よりお願いしておきます。
最後に、障害児保育に対する補助についてでございます。
昨年五月十一日の内閣委員会で野田大臣から、平成三十年度、二〇一八年度、五年前の地方交付税措置の拡充の趣旨や内容について自治体に周知するとの御答弁をいただきました。
しかし、福岡県内六十市町村のうち十一か所、一五%のところでは全く補助ができていないという現状があります。つまり、住んでいる市町村によって、保育サービスの利用ができていない方々がおられるということです。
全国的にも同様の状況があるのではないかと思いますけれども、どのように認識しておられますでしょうか。
○加藤国務大臣
障害のある子供さんも、また障害のない子供さんも同様でありますけれども、保育が受けられる環境をしっかりつくっていくということが必要であります。
障害のある子供の保育に要する費用については、平成十五年度以降、地方交付税により措置をされております。それに対して、多分、野田大臣から言及があったんだろうと思いますが、さらに、しておりますが、平成三十年度には、保育所等で受け入れる障害児の数の増加も踏まえ、それまで四百億円程度であった交付税措置額を八百八十億円にまで拡充をするとともに、各市町村内の実際の障害児の受入れ状況に応じて算定する方式に改善を図ったところでございます。
こうした対応もあって、障害児受入れの実施箇所数、受入れ数とも年々伸びてきており、令和二年度では一万九千九百六十五か所、七万九千二百六十人と、平成二十二年度と比べますと、箇所数で約一・四倍、受入れ人数で約一・八倍、こうした状況になっております。
ただ、引き続き、まだ十分そうした対応が進んでいないという声も私ども承知しているところでございますので、ニーズに応じて適切に保育士が配置され、受入れが進むよう、自治体に対して交付税措置の趣旨をしっかりと周知して、障害児保育の推進、これをしっかり支援をしていきたいというふうに思っております。
○堤分科員
ありがとうございます。
まだまだ、少しずつは増えてきていますけれども、やはりまだ、地元の保育の方からは、障害児を持った保護者の方が来られても、今、現場が忙し過ぎて受け入れる余裕がない、障害児の加算があっても、その加算があるのが年度途中からだったり、年度途中からの受入れがあって加算が間に合わないというようなこともあったり、なかなか現場としては使いづらいということもありますし、また、福岡県は、地方交付税ではなくて、国として障害児に特化した加算をしてほしいというふうにも求めています。
本当に、受け入れたくても受け入れられないということで、保護者の方も行き場がないし、保育士の人もお断りするのが心苦しいという状況がまだまだあるというふうに聞いております。是非、この点につきまして、もっと充実をしていただきたいと思っています。
まさに異次元の少子化対策ということになるように、低次元ではなく異次元の少子化対策となるように是非御努力いただきたい。そして、この十年の遅れを挽回していただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
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