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堤かなめのこれまでの質問

第208回国会 衆議院 内閣委員会 第9号 令和4年3月16日

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○堤委員
 立憲民主党福岡五区選出の堤かなめです。
 個人情報の保護及び国家公安委員会の政治的中立性について質問いたします。
 デジタル技術による利便性の向上と引換えに、私たちの個人情報が流出し不正に使用されたり、デジタル監視社会が現実のものになる可能性も否定できません。国民の自由、プライバシーと人権を守る立場から、以下質問いたします。
 初めに、個人情報の保護についてです。
 今回提出されているキャッシュレス法案が成立すれば、国税や国民年金保険料などの納付にクレジットカードなどを使うことが可能となります。立憲民主党の主導により協議がまとまり、この後提出される予定の附帯決議案には、指定納付受託者等による納付者の個人情報の不正利用や流出を防ぐため必要な措置を講ずることという条項が入ると承知しています。
 本年二月の新聞報道によりますと、滋賀県で個人情報が大量に流出し、不正使用されるという事案が起こりました。キャッシュレス法案が成立すれば、このような事案が国での納付で起こらないとも限りません。この点からも、この附帯決議は大変重要だと考えます。
 滋賀県の事案は、滋賀県が発売したプレミアム付デジタル商品券のクレジットカード決済システムにより、六万六千人ものクレジットカード情報が流出したということです。流出したのは、カード番号、有効期限、セキュリティーコードの三つ。この三つの情報がそろえば、クレジットカードを他人が勝手に使うことも簡単にできてしまいます。
 そこで、一点目に、実際に滋賀県では、クレジットカード会社から身に覚えのない約二十一万円の請求があったなどの相談が多数寄せられているとのことですが、現時点で国が把握している被害の状況をお聞きします。また、この事案で被った被害の補償はどうなるのか、あわせて、カード情報を流出させたり不正使用を行った業者や個人に対する警察の捜査や処分はどうなるのか、お聞かせください。

○菅原政府参考人
 お答えいたします。
 まず、デジタル庁の方からお答えをいたします。
 クレジットカード決済サービス会社への不正アクセスにより、滋賀県の事業として実施されている「ここクーポン」をクレジットカードで購入した利用者について、クレジットカード情報が流通した可能性があることを滋賀県が公表をいたしております。
 その内容は、原因は決済サービス会社のデータベースに対する第三者からの不正アクセスであること、流出した可能性のある件数は全体で四十六万三百九十五件であり、そのうち、「ここクーポン」利用者は六万三千三百三十七件であること、流出した情報はクレジットカード番号、有効期限、セキュリティーコードであることと承知をいたしております。

○緒方政府参考人
 警察としての捜査及び処分に関するお尋ねの件に関し、個別の事案についてお答えをすることは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、警察においては、刑事事件として取り上げるべきものが認められれば、法と証拠に基づき厳正に対処していくものと考えております。

○澤井政府参考人
 補償についてお答え申し上げます。
 「ここクーポン」の購入に使われましたクレジット番号の漏えいによりまして生じました不正利用につきましては、クレジット会社によって補償されていると承知してございます。
 経済産業省といたしましても、既に、業界団体を通じまして、クレジット会社各社に対しまして、不正利用が発生した場合の利用者への請求停止、返金を、的確かつ丁寧に対応するよう要請しております。
 引き続き、カード利用者に被害が生じないよう、カード会社と連携しまして取り組んでいきたいと考えてございます。
 以上でございます。

○堤委員
 この業者から四十六万を超えるような情報の流出があったということが分かりました。また、滋賀県は、不正利用されるおそれがあるとして、カードの再発行を呼びかけています。再発行の手数料はキャッシュレス決済の業者が負担するとのことですが、六万六千人もの人々の手間暇、県職員の方々の労力や時間を考えますと、膨大な損失となります。つまり、キャッシュレス化で安く便利になるどころか、国民や政府にとって大きな損失になる危険性、大きなリスクもあることが分かります。
 そこで、二点目に、このような事態が二度と起こらないよう、国はどのような対策を取るのかお聞きします。また、万が一、情報流出や不正使用などが生じた場合の補償はどうなるのか、お聞きします。

○牧島国務大臣
 まず、一般論としてでございますが、個別の決済事業者等に係る個人情報保護対策については、各事業者において個人情報保護法令にのっとり適切に行われるべきものでございます。
 そして、民間決済事業者等における個人情報等の漏えい事案の発生や、その場合に生じた補償への対応については、一義的には、業を所管する各府省庁及び個人情報保護委員会において対応されるものと承知しております。
 その上で、本法案において、キャッシュレス納付を行う納付義務者の保護の観点からは、まず、利用者である納付義務者の決済情報などを扱う指定納付受託者は、本法案第八条第一項において、納付事務を適切かつ確実に実施することができる者であることを要件としています。これにより、指定納付受託者が扱う個人情報の保護や情報システムのセキュリティーが確保されていることも、この要件の考慮要素になると考えております。
 また、仮に指定納付受託者の過失により情報流出やクレジットカードの不正使用などが生じた場合には、納付事務を適切に実施することができる者としての要件を欠くとして、指定納付受託者の指定の取消しの考慮要素になり得るというふうにも考えております。

○堤委員
 補償はどうなるのかについてお答えいただけましたでしょうか。

○牧島国務大臣
 補償への対応については、一義的には、業を所管する各府省庁及び個人情報保護委員会において対応されるものと承知しております。

○堤委員
 対応するということですが、補償がどう行われるのか、ちょっとよく分かりませんけれども。
 先ほどの滋賀県の例でもクレジット会社が補償するということでしたが、もしクレジット会社が倒産したらどうなるのかということをお聞きしたいと思います。

○澤井政府参考人
 お答えいたします。
 クレジットカードにつきましては、不正利用があった場合には、利用規約の中で、クレジット会社の方で補償するというふうになっておりますので、基本的に、その契約に基づいて補償がなされるということでございます。
 倒産した場合については、いろいろな個々のケースが考えられますので、一概には申し上げられませんが、基本的には、その約款に基づきましてクレジット会社が適切に補償する、こういう仕組みになってございます。

○堤委員
 一概には申し上げられないと。つまり、必ずしもちゃんと補償されるかどうかは不明であるということではないかと思います。
 そこで、三点目に、分別管理についてお聞きします。
 証券会社は、顧客の資産を確実に管理するため、証券会社自身が保有する資産と管理場所を明確に区分して管理する分別管理を行っており、証券会社が万一破綻した場合、倒産した場合でも、顧客の資産を全て円滑に返還できる仕組みが金融商品取引法で導入されているとのことです。
 そこで、なぜ証券会社については分別管理が法律上義務づけられているのかお聞きします。

○田原政府参考人
 お答え申し上げます。
 委員御指摘の分別管理でございますけれども、証券会社は、金融商品取引法におきまして、御指摘のとおり、証券会社自身の固有財産と顧客からの預かり資産を分別して管理するということが義務づけられております。
 その趣旨でございますけれども、本制度は、投資家が安心して取引を行うことができる環境を整備するという観点から、証券会社が万が一破綻した場合でありましても、顧客の資産が確実に返還されることを目的として導入されたものでございます。

○堤委員
 万一破綻してもきちんと補償される、そして安心して取引ができるということでした。したがいまして、キャッシュレス決済の指定納付受託者などの倒産によって納付した方の資産が回収できないという事態を防ぐため、分別管理など防止策を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○菅原政府参考人
 お答えいたします。
 御指摘のとおり、納付義務者が国の歳入等の納付手段として本法案に基づくキャッシュレス払いを選択する場合に、これによって納付者が不利益を被らないよう、その保護を図ることが重要であるというふうに認識をいたしております。
 そこで、本法案では、納付者がキャッシュレス手段を選択した場合、指定納付受託者が期限までに支払いを行わなかったときにおいても、納付者ではなく、まずは指定納付受託者から徴収することとしております。加えまして、指定納付受託者が倒産したような場合においても、指定納付受託者から確実に徴収することが可能となるよう、指定納付受託者に対しまして、倒産リスクに備えた保険の加入でありますとか第三者保証を求めることなどによりまして、納付者の保護を図ってまいりたいというふうに考えております。

○堤委員
 保険の加入なども考えていただいているということで、しっかり、納付者が不利益を被らないようお願いいたします。
 次に、国家公安委員会の政治的中立性についてです。
 キャッシュレス決済サービスの普及に伴い、様々なサービスにクレジットカード情報がひもづけられることにより、クレジットカードの不正利用が多発しています。したがって、さきに述べました滋賀県の事案のように、個人情報の流出や不正利用などの犯罪を取り締まるための警察の捜査活動が重要であるのはもちろんです。
 その一方、サイバー空間での捜査は、国民から見えず、国民の個人情報に警察が自由にアクセスし監視することが理論上は可能ということになります。そのため、デジタル社会の進展に伴い重要度を増しているのが、警察を所管する国家公安委員会の存在です。
 国家公安委員会は、警察の政治的中立性の確保と治安に対する内閣の行政責任の明確化を目的とした組織です。設置されましたのは、戦後間もなくの昭和二十二年の旧警察法の制定に伴うものです。これは、戦前の特高警察が市民を徹底的に監視し弾圧していたことに対する痛烈な反省から、警察に対して市民の側から民主的な統制を図ろうとするものでした。その後、昭和二十九年に警察法が全面改正され、国家公安委員会の委員長は国務大臣をもって充てることとなり、以来七十年近く、国家公安委員会の組織の改編はなされておりません。
 国家公安委員会は、いわゆる大臣委員会です。かつては、大臣委員会としては金融再生委員会が置かれたことがありましたが、その後廃止されており、現在では国家公安委員会が唯一の大臣委員会となっています。
 行政委員会におきましては独立性が重要であることに照らしますと、大臣委員会を設けることには設置当初から疑問が提起されてきました。
 この点について、今から六十八年前の昭和二十九年の警察法の審議において、政府は、大臣委員会としたのは、政府の治安責任と警察の政治的中立性の調和を図るためと説明しています。
 また、大臣委員会であることによる政治的中立性への危惧に対処するため、国家公安委員会は委員長及び五人の委員をもって組織され、議事は出席委員の過半数で決し、可否同数のときのみ委員長の決するところによるとしています。つまり、通常は、委員が奇数の五人とされているため、可否同数という事態が生じないよう配慮されており、委員長には表決権はなく、採決権のみ付与されています。
 このように、一定程度、国家公安委員会の独立性は担保されています。しかしながら、七十年近く前に設置された大臣委員会がこれからも唯一の大臣委員会として存続すべきなのかについては、議論の余地があると考えます。
 さきに述べたような個人情報の流出や不正使用などの事案だけでなく、増加する国境を越えたサイバー犯罪に対処するため、警察庁に直轄のサイバー特別捜査隊などを新設する警察法改正案が今国会に提出されているのは御案内のとおりです。成立すれば、戦後の警察行政の大転換であり、警察庁の持つ権限がより大きくなることは確実です。それに伴い、国家公安委員会が果たすべき警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保という役割もまた、重要性を増すことは間違いありません。
 そこで、ただ一つの残された大臣委員会である国家公安委員会の組織を改編し、人事院、公正取引委員会、個人情報保護委員会など他の行政委員会と同様、委員長も民間から選任すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○近藤政府参考人
 お答えいたします。
 警察法では、国民の良識を代表する者で構成されます国家公安委員会が警察庁を管理することにより、警察の民主的管理を保障するとともに、政治的中立性を確保することとされております。また、国家公安委員会委員長に国務大臣を充てることによりまして、政府の治安に対する責任をより明確にするとともに、委員長を通じて国家公安委員会と内閣との意思疎通と連絡の緊密化を図ることとしております。
 他方、警察の政治的中立性が侵されることのないよう、国家公安委員会委員長には表決権を与えず、さらに、国家公安委員会の議決するところを外部に代表する権限のみを認めることとされているところでございます。
 このように、現行の国家公安委員会制度につきましては、政府の治安責任と警察の政治的中立性及び民主的管理の調和を図ったものでございまして、これを適切に運用していくことが適当であると考えております。

○堤委員
 大臣というのは、言うまでもありませんが、現職の国会議員であり、政治家の中の政治家、ザ・政治家だということだと思います。大臣が委員長で、政治的中立性が保たれる、独立性が担保されるとは到底思えません。
 例えば人事院の委員である人事官の選任に際しては、五年以内に政党の役員等の経歴がないことと明記されています。それはなぜですか、教えてください。

○上野委員長
 堤君、通告はされておりますか。

○堤委員
 独立性が担保されるかということですので、その派生した更問いでございます。
 もう一度申し上げますが、政治家である大臣が委員長で政治的中立性が保たれるのか、ほかの委員会でも、そういった人事院に関しましてでも、政党の役員等の経歴が五年以内にないことなどが明記されているわけですけれども、そういったことで独立性が保たれるのかという問いでございます。

○近藤政府参考人
 お答えいたします。
 ちょっと、人事院のことにつきましては、所掌外でございますので、お答えするべき立場にはございませんが、大臣の関与に基づきます政治的中立性につきましては、先ほど申し上げましたように、国家公安委員長には表決権が与えられていない、さらに、国家公安委員会の議決するところを外部に代表する権限のみを認めるということをもちまして、政府の治安責任と警察の政治的中立性及び民主的管理の調和を図っているというものでございます。

○堤委員
 議決権がないというようなこともおっしゃられましたけれども、例えば都道府県の公安委員会も、委員長も含め全ての委員が民間から選任されています。私も県議会議員として委員長を務めたこともございますけれども、やはり委員長には、何を議題にするかなど、大きな権限が与えられています。
 やはり、何度も申し上げますけれども、政治からの独立性、中立性につきましては、さきに述べましたように、唯一残っている大臣委員会を廃し、委員長も含め全ての委員を民間から選任すべきということを再度申し上げまして、私の質問を終わります。